過去に学び、未来に繋がる死の鉄道、泰緬鉄道

過去に学び、未来に繋がる死の鉄道、泰緬鉄道

こんにちは、夫のテンです。

 

カンチャナブリへは3泊4日の滞在で、3日目に泰緬鉄道、通称Death Railway (死の鉄道)に乗ってきました。

 

泰緬鉄道について

歴史好き、鉄道好き、映画好きには有名な列車らしいですが、僕はバンコクでカンチャナブリ行きのツアー案内を見て初めてその存在を知りました。その時も鉄道が崖の上を走るスリリングな写真にワクワクしただけで特に歴史的な背景など知る由もなくやってきました。

ですのでここに書く情報はググってササっと調べただけなので信憑性への自信ははぐれメタルを一発で中間に出来るくらいありませんのでそのつもりで読んでください。

泰緬鉄道が死の鉄道と呼ばれるようになったのはその製造過程で多数の死者が出たからという事らしい。

第二次世界大戦中にビルマを占領していた日本だが、空海の航路を連合軍におさえられていることから物資を運ぶのに陸路を使う必要があり、戦略的重要な位置付けとしてビルマとタイを結ぶ鉄道を敷くことにした。

その中で現在クウェー川と呼ばれる川に現在クウェー橋と呼ばれる橋の建築において、多数の連合国軍の捕虜が使われ、その厳しい作業環境から多数の死者が出たという、悲しい歴史があります。

その歴史背景を基に作成された映画が有名な戦場にかける橋ということのようです。この映画がアカデミー賞受賞してあまりに売れた結果、橋だけでなく川の名前までも映画で使われた名前に変えてしまったとのこと。

上記でくどいように現在クウェー川/橋と書いたのはその為です。

この映画僕は見たことは無いのですが、所謂反戦映画で戦争の愚かさ悲惨さを訴えているらしいのですが、同時にイギリスマンセー的要素とそれを際立たせる為の日本人の愚かさ残虐性を押し出した、プロパガンダ的要素がかなり入った映画らしいのです。

映画と史実には大きな矛盾があるそうで、その最たるものが上述の川と橋の名前です。またこの矛盾というのが基本的に映画側が英国上げ日本下げしているところにあるようです。

映画の原作者はこの歴史的現場を体験したらしく、彼曰くその経験を”基に”執筆したらしいのだが、この基にという言葉は、このケースにおいては実に厄介な単語のように思えます。

暴れん坊将軍だって八代将軍吉宗という歴史上確かに存在した史実の人物を“基に”作られた作品ですが、吉宗が江戸の町に出て警察ごっこのチャンバラしたり、ましてや悪人をバッタバッタとなぎ倒す無双キャラだったなんて信じる人はいないでしょう。あくまで史実を基に作ったファンタジーです。

この映画もファンタジーを前面に押し出して日本製メカゴジラが出てきて連合国軍がそれに打ち勝ったとかだとああ真実じゃないなと分かるのですが、なにぶんお堅い映画として作ったばっかりにこの映画の話をまるで史実として信じてしまう可能性があるます。それを狙ってるのか(プロパガンダ映画なのか)否かは不明ですが。

映画の最後に、この話はフィクションです。登場人物団体は実際に存在する人物団体とは無関係です、とか記載されていればいいですが、おそらくこの話は事実に基づくお話ですと書いてあるに違いない。

この映画で日本に対してマイナスな感情を抱いてしまう人、抱いてしまった人は絶対少なくないはずで、そういう映画で有名になった観光地というのは日本人の僕には少し複雑な気持ちです。

まぁ事実であっても過度に煽るような、扇動的なものはどうかと思いますが。

 

実際に行ってみた

上で書いたとおり日本人にはなんとも複雑な心境になる場所で、さも映画に則した歴史要素を前面に押し出したもの、日本人だと居づらくなるような場所かというと、実は全くと言って差し支えないほどそうではないです。

ガイドも多く言葉全て分からずとも日本の話をしているなというのは分かりましたが、それくらいのものです。

たぶんですが観光客の大多数は有名な映画の舞台となったか、僕のように崖の上のスリリングな鉄道くらいにしか知らないのではと。

戦争に関する歴史博物館も近くにあるらしいですが、少なくとも僕が気づかなかったくらいに目立たず、戦争を感じるものは橋の手前に置かれたちゃっちい爆弾のオブジェくらいで、他はただの立派な観光地という雰囲気です。

土産屋が多くあり、水上にはレストラン、水上でジェットスキーに乗る人も。後は橋の上で写真を笑顔で決めポーズで楽しそうに撮る人、通り過ぎる電車に乗る人に笑顔で手を振る人くらいです。

過去の悲惨な歴史を忘れないように的な教訓の押し売りは感じず、少なくともどっかの国のように日本人は最低だを前面に押し出すことは一切していません。

おそらくタイの人々も映画で有名になったことをある意味上手く利用して観光地の活性化しているだけに感じます。過去にこんなことあってラッキーと思ってると言ってる訳では決してないですが、いい意味で現実的で未来志向という感じがしました。史実より果実という感じでしょうか。

 

行き方とハイライト

鉄道はThonburiという駅から終点のNamtok駅まで向かい、僕らはThonburi駅の次の駅のカンチャナブリ(Kanchanaburi)駅から列車に乗り込みました。

チケットを購入するがなんとタイ人は無料で外国人は1人100バーツという、fu○k you感満載の格差に驚く。

時刻表はこれ

カンチャナブリからは6:07と10:35と16:26に出ますが、普通に考えて10:35をチョイス。

定刻どおりやってきた電車に乗り込む。席は予約席のようですがそもそもどの車両かが分かりません。

親切なタイ人の売り子さんが教えてくれるのですが英語がわかりません。

ここじゃない次だ次だと言ってるようなんですが、もう端っこで次がないんです。次の電車ってこと?と降りるジェスチャーすると、違う違うここにいろというような反応。

ここで合ってるの?違うの?セクシーなのキュートなのどっちが好きなの?

これはまたタイ人独特の、優しい親切な適当攻撃か。(タイ人の優しい親切な適当攻撃はこちらの記事へ)

すると前方から別の列車がこっちに衝突するかのように同じレーン上をこちらへ向かってきました。

なんと前の列車と連結するのです。

1番前の車両に乗っていたので運良くその様子を見ることが出来ました。

よくよく考えると運転席も動力源もないただの乗客用車両が先頭なわけないです、そら連結するでしょうJK。

あれ?でもこの電車前の駅からどうやってここまで来たんだろう。。。。まっそんなことどうでもいいか。

 

連結後に僕らの車両がありました。

他車両の雑いプラスチックのような床とビニール皮の座席と異なり、木製の床と座席で古さのなかに昔懐かしい温かみのあるデザイン。僕は物事ついたときから鉄製と布製の座席しか知りませんが。価格はタイ人タダの外人100バーツでしたが、納得。

席は窓側の向かい合わせ席2つ。指定席ですが結構なガラ空きで反対側の窓の席には誰もおらず自由に動き回り左右両方の景色を楽しめました。

いよいよ出発。

出発後10分足らずで最初の観光ポイントのクウェー橋、戦場にかける橋到着です。

鉄橋は電車がいない時は自由に歩いて渡れますが電車がくると脇の電車を避ける場所に移動。

皆んな手を振ってくれます。

歩くようなゆっくりしたスピードで橋を通過し電車は加速。

クーラーはないですが窓全開です。風がビュンビュン入ってきますが、暑いもんは暑いです。

タイの農村の様子。

広がる大自然。

見にくいですが大自然の中に申し訳なさそうに出現した巨大仏像。

牛たち

しばらくは子犬のようにテンションフルマックスでキャーキャー言いながら写真撮りますが、約2時間の列車旅、三度の飯より好きタイの農村が好きな僕もソロソロ飽きて来ました。

完全に飽きてそろそろ子犬のようにスヤスヤ寝ようかと思ったとき、リゾート地のような場所に停車。

よく見ると第2ポイントのTham Krasae駅の文字が。ここは列車が崖の上を走るところなんですが全く崖じゃない。また不安にかられます。タイは本当にやきもきさせられます。

がすぐに出発、そしてすぐに崖の景色が。一安心。

窓から下を見ると崖でも思ったほど高くない

 

窓のすぐ横は壁。

 

 

思ったほど高くない崖よりも窓から見えるクウェイ川の綺麗な景色。

 

 

そして崖を渡りきってすぐにTham Krasae駅に到着。時刻は12時過ぎ。

終点のNam tok駅まで乗っててもよかったのですが、終点は何にも無いところらしいので、僕らはここでぶらり途中下車の旅。

駅前には多数の土産屋と売店や食堂がありますが、思いっきり観光地価格です。僕らは金持ちバックパッカーなので、服を買ってアイス食ってと大豪遊。本日は夕飯抜きです。

 

 

歩いて先ほど列車で通過した崖の上のレールへ。

皆んな写真パシャパシャ。

 

崖とは言えそんな高くないのでひょいひょいと恐る恐るレールの上を歩く。

 

 

これが一番崖感が出てる写真です。

 

崖の中に洞窟があり、黄金の仏陀がいます。

奥に細いトンネルで洞窟が続いていますが妙に小便臭いので途中で退散。

12時過ぎに着いて帰りの電車が13:30。ゆっくり写真とって観光しても時間があまります。

土産屋周りをして時間潰しをしますが、クーラーがある建物なんてないですし、その日は猛暑で完全にバテバテ。

 

漸く帰りの電車が到着。

帰りももちろんまた同じ景色を2時間弱味わえるので、ぐっすり爆睡して堪能しました。

帰りはカンチャナブリ駅1つ手前の戦場にかける橋駅で下車し、鉄橋見学です。

立派な鉄橋で戦時中に作られたとは思えない。

 

 

 

何か映画の記念プレートらしいです。

 

 

 

雑な爆弾模型

お腹が空いたので近くのレストランへ行き、レッドカレーを注文。

写真撮り忘れたが、なんか知ってるレッドカレーと違う。

お腹すきすぎて一気にバクバク食べる。

おいしい。

ん?! か、か、か、かれぇぇぇーーーーー!!!!!!!

今までで食べたカレーの中でダントツに1番辛く、本当に一瞬口から火が出ました。本当なんです。実体験に”基く“大ホラ吹きなんです。

カレーは辛いものとか言いますが限度ってもんがあります。

でも従業員のタイ人曰くマイルドスパイシーだと。

ほんとタイ人しばくぞボケ:(;゙゚’ω゚’):

 

ともあれゆったりと列車にゆられ、ゆっくりとしたタイの農村の風景を横目にしつつ、歴史を学べ、そしてちょっとスリリングな泰緬鉄道。とっても楽しめました。

 

 

最後に

同じ過ちを犯さぬように過去から学ぶ。これは人間以外の動物にだってできるます。犬だってトイレ以外でオシッコして怒られれば、ああここでオシッコしたら怒られるんだなと学びます。でも人間だけが過去の失敗からより良い未来を創造できるのです。

マイナスをゼロにして二度とマイナスにならないように学び、そして更にゼロをプラスにする事が出来る唯一の生き物。

同じ失敗を繰り返すようでは動物以下。同じ失敗を防ぐだけでは動物レベル。学んだ過去から飛躍してこそ人間。

暗い悲しい歴史を楽しい観光地に変えた泰緬鉄道。

尚僕は前日踏んだ犬のウンチを次の日も踏んだことがあります。