ギリシャ タソス編 2 まさかの結婚破棄?ローカルウエディング

ギリシャ タソス編 2 まさかの結婚破棄?ローカルウエディング

 

ココです。さくさくタソス島での生活記録を消費していきます。タソス編のブログは島の紹介は全然無いただの個人的な日記です。観光をしていないので景色の写真もほとんどありません。なのでもしもそれを期待している方が居ましたらクレタ島編からご覧ください。

 

 

★前回までのあらすじ★

ギリシャ タソス島での友人達の結婚式に参加する事になったテンとココ。だけど式の4日前だというのに準備はまだ全然終わってなくてトラブルだらけだった?! 主役の2人や巻き込まれた私達は一体どーなるのでしょう☆

 

◼︎タソス3日目 結婚式3日前

この日は8月15日。日本では終戦の日で、ギリシャでは聖母マリアの日。(マリアの被昇天を記念した祝日)この日はビックホリデーのため大概の店は閉まるそうだ。

ギリシャ正教会に行くと大抵キリストを抱いたマリアの大きなイコンがどーんとあり、人々に崇拝されている。(ギリシャではお祈りに来た人がよくイコンにキスをしている。)

 

ヤニス「今日は店が閉まるので何も出来ないし、この辺りは何もないよ?」

 

と言っていたが、家でゴロゴロするのも退屈なのでテンと村を散歩する事にした。

 

ぷらぷら村を歩いていると、隣のおばちゃんHに遭遇したので広場のベンチで暫く話していた。すごくすごく小さい村なのですれ違う人は全てHの友人。突然知らないおばあちゃんが現れて、いつのまにか会話に混ざっていた。きっとタソス島でアジア人2人組なんてのは相当珍しいんだろうなぁ。

 

ギリシャのおばちゃんは明るくて、言葉が通じてなかろうが関係ないと言わんばかりにグイグイ話しかけてくれる人が多い。オープンマインドで、何かと世話を焼いてくれる。

 

H「まぁ!あの家(ヤニスのサマーハウス)で6人で滞在してるの?!明後日うちに止まりなさい。個室もベッドもあるわよ。」と言ってくれたので、たまにはエクとベネも2人で居たいかもしれないし、お言葉に甘えて泊まりに行く事にした。

 

更にHは「スイカにフェタをつけて食べた事ある?美味しいよ。買ってあげるから食べなさい。」 と私達の為にスイカと牛のフェタチーズを買ってくれ、車で家まで送ってくれた。それ本当に美味しいの?

 

家に帰ると ヤニスのお父さんがBBQの肉を焼いていた。ジョージクルーニーみたいな渋いおじ様だった。

 

時刻は既に15時頃だが、お昼ご飯を皆んなで頂く。
ギリシャの人はランチやディナーの時間が遅いし、ガンガン夜更かしする。

 

食事後「海に行こうよ!!」とヤニスが言い出す。
(貴方達 結婚式の準備ぜんぜん進んでないんとちゃうかったっけ〜。)と不安に思ったが、当人が言うんだから大丈夫なんだろうなと、皆んなで一緒にビーチへ向かった。

 

彼ら(白人)の肌は日差しが強すぎると火傷をしてしまうので海に行くのは日差しが弱くなる夕方頃だ。私達アジア人からすれば、ギリシャの夕方の海はだいぶ寒い。(湿度が低いせいか、夜のギリシャは結構寒い)

 

移動中の車の中で会話しているのは 私とテン、ベネとエクだけで新婚組はエライ無言だった。この車は霊柩車なのかい。。また何かあったなー。

そしてパパリマニという海に到着した。パパは父、リマニはギリシャ語で港だそう。

しばらく遊んでベンチで休み始めると、ヤニスが「皆、話があるんだ。こっちへ来てくれ。」と私達に召集をかける。

 

なんだい。と思いながらヤニスのもとへ行くと

 

ヤニス「 結婚を止める。 」

 

私 テン ベネ エク「「「「え?!何で?」」」」

 

とりあえず理由を聞く事になった。

 

ヤニス「エヴァは俺と結婚したくないと言っている。僕の事が嫌いなんだ。僕は彼女のスタイルの結婚式を用意する事が出来ない。エヴァが求めるレベルは僕には難しい。なので彼女をハッピーに出来ないんだ。」泣きながら話す。

 

そしてヤニスは席を立ち、ベネと2人で車に乗り込む。

 

花嫁エヴァが話す。

「私はロンドンで前もって結婚式の準備をしようとしたの。でもヤニスは『運ぶのが大変だからギリシャで全て準備をすればいい。僕が全部やるから何もしなくていい。』と言ったの。私はギリシャ語がわからないのでここに着いたら彼に任せるしか無かったのに現在何も準備出来ていない。彼はそれを周りのせいにする。出会ってから7年もこんな調子だし、これは今我慢するだけで終わる問題ではない。約束を守れないのが当たり前の信頼出来ない人と結婚はできないわ。」

 

かなりの不満爆発で事細かに詳細を私達に話してくれた。が、一時的な感情かも知れないので私達はどうしてあげればいいか分からん。

 

テン「俺らも結婚式の前は喧嘩したけどとりあえず来てくれる家族の為にやったぜ!!式までに彼は何とかするよ!好きなら信じてあげなよ!」

 

私「私の時なんかテンが無関心で結婚式でやりたい事全然出来なかったけど、今とりあえず楽しいで!」

 

エク「私もベネと喧嘩することあるよ!」

 

とりあえず焦って訳の分からない説得(?)をする。

 

エヴァは沢山の鬱憤を私達にぶつけた後、少し冷静になり

 

エヴァ「私は、”私のスタイルの式”を完璧にこなしたい訳では無くて、2人の式に対して真剣に取り組んでいる彼の姿を見たかった。彼は自分の好きな事に関しては忘れる事は無く、カレンダーに丸をつけてまでやろうとするの。なのに、、」と話す。

 

多分その話ヤニスに通じてないと思うな。

 

ヤニスは (7年間も同じ事を許してくれていたのに何故この結婚式のタイミングでこんなに怒るんだ?僕の事嫌いなんだろ?)と思っているのかも知れない。

 

エヴァは「7年チャンスを与えたのに2人の最も大事な日の結婚式でさえいい加減だなんてもう無理。」と言う。

 

とりあえずまだ式まで時間がある。エヴァはまだ彼を信じたい気持ちがあるので、信じてみると言い、結婚式に臨む事になった。

 

ヤニスが帰ってきて、「エヴァ。俺、頑張るよ。」とエヴァにハグをする。

 

ベネが説得したんだろう。ベネお疲れ。

 

そしてまた全員でバレーボールする。とりあえず2人の雰囲気はロマンチックになり仲は良さそうだったが、私のライフはね。もうゼロです。

 

帰宅して、夜もまたまた庭でバーベキュー。
ヤニスのお母さんや兄弟が現れる。とりあえず2人が仲直りしたので空気は明るく、楽しくご飯を食べる事が出来たのでよかった!

 

ご飯を食べていると何故か鮮やかな緑のカメムシが私にブンブン向かってくる。何なんだ。

エヴァとヤニスは溺れているハチを助けるようなナウシカ的存在なので、目の前でむやみに虫を痛めつける事は出来ない。 エヴァの母はエヴァの目の前で蚊を殺してめっちゃ怒られていた。

 

◼︎4日目 結婚式2日前

朝起きるとヤニスの父さんや男性の親族の方がみんな木を切ったり庭を掃除してる。私が手伝おうとすると、「君は座ってなさい な」と止められた。

そして女の私が動いたせいで「君が動くんだ!」と男性のベネが駆り出される。ベネよ、ゴメンね。ベネは本当によく動く。

 

ギリシャの田舎の方では庭仕事やBBQは男性の仕事という感覚なのかも知れない。(この人達の年齢層的にも)

 

現在は テンも私も無収入なのでどちらが家事をするとかは関係なく協力し合うし、2人共同じだけデッカくて重い荷物を背負って歩いている。なので女性という扱いは久しぶりで何だかくすぐったさを感じた!

 

とりあえずテンと私は 日々の軟禁状態に終止符を打つ為、デリバリー付きのレンタルバイク業者を見つけて予約した。

 

待ち合わせ場所の村の広場で待つ事30分。一向に業者が来ない。

 

おかしいなと電話をかけてみる。

 

業者「は?デリバリーの者はもう退社したわよ。貴方達が約束の場所に居なかったと言っていたわ」

 

私達は待ち合わせ場所を絶対に間違えてはいなかった。この小さな村で広場はただ一つ、そして住所も合っていた。たぶん業者は約束場所に来るのがめんどくさくなって勝手に帰ったんだろう。

 

テンが激怒して色々話したが、相手は聞く耳持たず。結局腹が立って電話を切った。

放心状態でベンチに座っていたら、また偶然車で通りかかったHに会ったので家まで送ってもらった。本当に面倒見のいい人で感謝している。

 

家に帰るとまた新婚組の不機嫌攻め。昨日あんなにロマンチックに仲直りをしていたのは何だったんだーー。

 

そんな状態で「みんなで海へ行こう」と言うので驚いた。

 

素直な人達で自分達の機嫌が悪いのを隠せないので仕方ないが、空気が悪すぎるので私の胃がヤバイよ。

 

着いた海は夕陽がとても綺麗だった。

私やテン、ベネ、エクは一緒にバレーボールをしたりワイワイと遊んでいる中、新婚さん達は遠くの方で何か話し合いをしている。

 

ベネとエクもこの状況に相当まいっていた。私達はこの精神的疲れからの結束感で仲良くなった。

 

もちろん帰りの車は霊柩車モード。晩御飯の調達にスーパーに寄り、テンがもう肉を焼いて食べるばっかりは嫌だからと「今日は俺がパスタ作るぜー」と豪語するので材料を買って帰った。

 

新婚さん以外の4人で仲良くボロネーゼパスタを作る。

ベネは料理の手際が良くて、気配りが出来て、優しい、典型的なモテるタイプだ。

見ているといつもエクとベネはお互いを労わり合っていて仲良し。見習おうと思った。

 

◼︎5日目 結婚式前日

朝、彼らの部屋の中でエヴァの凄まじい怒鳴り声がする。

 

エヴァ「ブルシット!!!!(クソッタレ!!!!)」

エヴァ「ブルシット!!!!」

エヴァ「ブルシット!!!!」

 

怖いです。どーしたんだろう。。

 

顔合わせたらまた葬式の空気なんだろうな。嫌だなぁ。みんなで家の外に出るが、家から2人の話合いをする声とエヴァの怒鳴り声が交互に聞こえてくる。

 

おろおろしていたら、喧嘩の声を聞きつけたのであろう隣のおばちゃんHが現れて私とテンに「今日はうちに泊まる日でしょ?ちゃんと個室もベッドも用意してるよ!今から来なさいな」と気を利かせて言ってくれた。女神さんだ。

 

Hの家に夫婦喧嘩から避難して4人でチェスをする。

家がめっちゃ綺麗で憧れる。

 

Hはすごく美味しいフレッドエスプレッソを作ってくれた。

 

4人でチェスを楽しんでいるとヤニスから「全員来てくれ!手伝って欲しいんだ!」と呼び出される。

 

サマーハウスに戻り、式の飾り付けの紙のお花を作る作業を皆んなで手伝った。

 

そして私はエヴァにメイクのトライアルを頼まれたのでやる。

 

メイクしている時にまたケンカをする2人。

しかも「美容院に行かなくちゃだから急ぎで」と急かされる。こんな状況で仕事したくないわよ

 

私は15分でブライダルメイクなんて出来ない。相談しながらだとだいたい1時間は最低貰う。なのに予定も全く知らせず急に頼んできて急げって、もはや何が私の身に起こっているのか分からなくて泣きそうになった。

 

エヴァは私に話す。

「今朝の喧嘩はヤニスの母親が、予定していたテーブルや飾り付けの布の色に口出ししてきて、彼女は別の物をオーダーすると言っていたのに、式の1日前に何もオーダーしていなかった事が判明したの。有り得なくない??!!」

 

だからエヴァは激怒していたという。本当に可哀想だ。いっぱいいっぱいなんだろう。

 

だけど報酬無しで仕事を頼まれて、喧嘩してる2人を慰めつつ、いきなり15分で仕上げないといけない私の状況もまぁまぁ過酷じゃないかな?(´;ω;`)

 

とりあえず全体的に出来る所まで終わらせて、2人は美容院に行った。

 

スーパーへ行く足が無いので、テンとベネと3人で近所の商店へ歩いて冷凍ピザを買いに行った。

 

ベネは本当によく働いているので「大丈夫か?疲れていないか?」と聞くと

 

ベネは「何故か僕が座っているのを皆が良しとしないんだよ。。でも人の助けになる事は好きだからいいんだよ。」という。

 

ベネは優しいね。その仏心を分けて欲しいよ。

 

突然家にHが現れて、以前買ってくれた スイカとフェタチーズをカットして組み合わせてくれた。

 

スイカはすごく美味しかった。がフェタチーズは牛のものであってもやはり匂いが獣すぎて苦手だと感じた。そして出来ればスイカとチーズは別々で食べたいと思った。

 

しばらくして美容院から帰ってきたエヴァが満面の笑みで私の所へ来た。サプライズがあるという。

 

エヴァ「おめでとう!あなたは私のブライズメイドに選ばれました!引き受けてくれる?」

 

どうやら予定していたブライズメイドがドタキャンしてしまったそうだ。

 

この時、結婚式10時間前。エヴァは基本的に頼みごとをする時、追い込み漁法タイプだ。私の本音は(これ以上はキャパ的に無理かも。)だったが、他に頼める人が居なさそうで気の毒なこの状況でNOだと言う事は出来なかった。

そして やはり友人なので、引き受けてあげたいという気持ちがあった。

 

ちなみにドタキャンしたブライズメイドとは最初に船でタソス島に到着した時に、車で迎えに来てくれた女性の事だ。

最初は (ドタキャンするなんてエヴァが可哀想だ。酷い。)と思っていたけど、もしかしたら彼女も2人と共に行動した時に振り回されて神経が衰弱してしまったのかもしれない。

 

エヴァとヤニスはただ素直なだけで、自分達の機嫌で人を振り回してる悪気も自覚も全く無い。なので彼らの中で彼女は完全にただのドタキャンをした最悪な悪者になっていた。

 

ブライズメイド役を引き受けた後はスケジュールと私にやってほしい役割を確認し、宿泊予定のHの家に移動した。

 

この日の夜は久しぶりの個室でゆっくりする事が出来た。

 

そして花嫁エヴァのブライズメイドとして明日の式のスピーチを夜中に真剣に考えた。

 

まだつづくよ!

 

ココでした。

 

 

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